大人への成長痕

若かりし時、ファッションの一部としてタトゥーを入れたお友達がいました。
就職して、結婚しても自分たちの生活スタイルを変えることなく、外から見ていても「カッコイイ夫婦」だと思っていました。
夫婦の間に赤ちゃんが出来ても、まるでサーファー雑誌から抜け出たような「カコイイファミリー」のままで、憧れていました。
そんな夫婦の転機は思いかけずやって来ました。
お友達の家族同士で夏休みにキャンプへ行った時のことです。海のキャンプを楽しんで、最終日は温泉旅館へお泊りしました。お友達のパパとママは「刺青お断り」の表記を見て、皆と一緒に温泉へは入りませんでした。「しょうがないね」と笑っていましたが、皆と一緒にお風呂へ行きたがる娘の機嫌が治りません。疲れもあってでしょうが、チビちゃんたちと一緒に連れて行くことも出来ませんでした。
しばらくして、ママ友が肩に入れたタトゥーを消すために、専門の皮膚科へ通いだしました。足首一周のタトゥーはキネシオを巻いてしまえば隠せますが、肩のタトゥーは隠しようが無かったからです。「子どもに貧乏くじを引かせたくないから」と言っていましたが、私自身もタトゥーと刺青への偏見が世間一般では一緒くたにされていることが 改めてわかりました。
長い時間を掛けて少しずつ消していったタトゥーでしたが、完全に消すことは出来ませんでした。
でも、ママ友は子どもへの最善を考えての治療だったので、消したタトゥー痕と残したタトゥー両方共に「大人・親としての成長痕」として後悔した様子はありません。